ドミナントという言葉。
音楽理論や作曲の方法が書いてある本などを読んだ事がある方はきっと見たことがあるかと思います!
でも、「イマイチよくわかんない」となっていませんか?
コードには機能があって、ドミナントというのはその機能の名前のこと。
ドミナントだけではなく、トニックやサブドミナントというものもあります。
普段楽器を演奏する時に何気なく弾いているコード進行は、実は上記のコードの機能をしっかり意識して作ってあるのです!
知っているととても役に立つ「トニック」「ドミナント」「サブドミナント」!
今回の記事では上記3種類のコードの機能の名前と特徴、機能にそったコード進行、そして「トライトーン」「ドミナントモーション」について解説します!
もくじ
まずはダイアトニックコードについて復習しよう!
それでは早速コードの機能をご説明します!
と、言いたいところなのですが・・・
以前このブログの中で
【ダイアトニックコード】音楽理論初心者に向けてわかりやすく解説!
という記事を書きました!
今回お話しするコードの機能を理解する上で、上記の記事内にてご説明した「ダイアトニックコード」と「ディグリーネーム」というものをしっかり理解していると、コードの機能についてやその他の説明がとても理解しやすくなります!
「ダイアトニックコードやディグリーネームってなんのこと?」という方は、ぜひ【ダイアトニックコード】音楽理論初心者に向けてわかりやすく解説!を読んでみてくださいね!
コードの機能3種類を紹介!
「トニック」「ドミナント」「サブドミナント」とそれぞれの機能について
さて!
それでは、コードが持つ機能を説明していきたいと思います!
まず、コードの機能には3種類あります!
その3種類とは、記事冒頭にて名前の出てきた
- トニック
- ドミナント
- サブドミナント
の3つ!
それぞれの機能についてもご説明すると、
- トニック・・・安定しているコード
- ドミナント・・・安定しているコードへ解決したくなる不安定なコード
- サブドミナント・・・ドミナントへ進行してから安定しているコードへ解決したくなるコード
となります!
ダイアトニックコードを使ってどのコードがどの機能を持っているのかをご説明しますので、もしできればこれは暗記してしまいましょう!
ダイアトニックコードのそれぞれの機能を確認
ダイアトニックコードそれぞれの機能を図でまとめるとこうなります!
覚えやすいようにCメジャースケールの場合のコードネームも記載してあります!
ここから先の説明は、セブンス・コードのディグリーネームを使って続けていきます!
機能ごとにディグリーネームでわけるとこのようになります。
- トニック・・・・・・Imaj7・Ⅲm7・Ⅵm7
- ドミナント・・・・・Ⅴ7・Ⅶm7♭5
- サブドミナント・・・Ⅱm7・Ⅳmaj7
先ほどもちょっとお伝えしましたが、上記の図を参考にしてもいいですし、各機能ごとにディグリーネームを振り分けたものでも構いませんので、どのダイアトニックコードがどの機能を持っているのかは暗記してしまいましょう!
Ⅶm7♭5の機能について補足
なお、一点補足があります。
上記の図ではⅦm7♭5をドミナントコードに含めていますが、ディミニッシュトの特徴そのものがとても強く、ドミナントの特徴を上回るためドミナントコードには含めないという考え方もあります。
この先に続くコードの進行の説明ではドミナントとして使うことはほとんどありませんのであわせて覚えておきましょう。
コードの機能にそったコード進行を見てみる
さて、話を戻して、少し前の説明でドミナントは「安定しているコードに解決したくなる」とお伝えしました!
この「解決する」というのは、具体的にどんなコードの進行になるのでしょうか。
ここまでで、コードの機能の名前と特徴をご説明してきたので、ここからは実際にコードの進行を見ていきます!
ディグリーネームの横にKey=Cの場合のコードネームを追記したものをご用意しましたので、例として一部を見てみましょう!
ドミナント→トニック
- Ⅴ7→Imaj7(G7→Cmaj7)
- Ⅴ7→Ⅲm7(G7→Em7)
- Ⅴ7→Ⅵm7(G7→Am7)
サブドミナント→ドミナント→トニック
- Ⅳmaj7→Ⅴ7→Imaj7(Fmaj7→G7→Cmaj7)
- Ⅳmaj7→Ⅴ7→Ⅵm7(Fmaj7→G7→Am7)
- Ⅱm7→Ⅴ7→Imaj7(Dm7→G7→Cmaj7)
などですね!
ドミナントモーションとツーファイブワン
今ご紹介したコードの進行の中でも、Ⅴ7からⅠmaj7へと5度下に解決する動きを「ドミナントモーション」と言い、一番自然な解決となります。
なぜ一番自然かというと、この時の「コードのルートが5度落ちる動き」というのが、とても印象が強いからです!
そうなると、Ⅱm7→Ⅴ7→Imaj7という進行は「コードのルートが5度落ちる動き」が続けて起きているので、とても解決感が強いコード進行であるということがわかります。
この進行は「ツー・ファイブ・ワン」と呼ばれ、コードの進行の王道ですので、一緒に覚えておきましょう!
コードは機能通りに進行しないといけない訳ではない
ちなみに、ここまででご紹介してきたようにコードが並んでいるもののことを「コード進行」とよびます。
コード進行には色々なものがあって、例えば「アーメン終止」と呼ばれるⅣ→Ⅰという進行もあります。
ここで「サブドミナントはドミナントへ進行してから解決するんじゃないの?」と疑問に思うかもしれません。
ですが、コードの機能は「このように進行したくなるよ」というもので、「必ずその通りに進行しないといけない」というものではないのです。
曲を作る人の感性によってコード進行は様々ですので、色々なコード進行に触れてみましょう!
ドミナントは何故不安定なのか
トライトーンが、ドミナントが不安定である理由
さて、では次に、ドミナントが安定したコードに解決したい「不安定なコード」とされる理由について説明したいと思います!
ドミナントコードには「トライトーン」と呼ばれるものが含まれているのですが、このトライトーンが、ドミナントコードが不安定であるという事の特徴になります。
トライトーンとは増4度音程のこと
では具体的にトライトーンとはどんなものなのでしょうか。
これは「増4度音程(全音3つ分の音程)」のことをいいます。
Cメジャースケールで考えるとFとBの音が増4度音程であり、この関係がトライトーンです。
トライトーンはとても不安定な響きを持っていて、このトライトーンを含んでいることでドミナントも「不安定なコード」とされます。
ドミナントモーションを細かく見てみる
トライトーンが解消されることで解決感を得ることができる
トライトーンとドミナントについても考えることができたので、先ほどのドミナントモーションとはどのようなものなのか、実際にCメジャースケールでドミナントとトニックの機能を持つコードを使いながら確認してみましょう!
まず、CメジャースケールにおいてトライトーンであるFとBを持っているドミナントの機能を有するコードはG7です(コードの構成音はG・B・D・F)。
ドミナントモーションにおいて、解決先になるコードはトニックであるCmaj7(コードの構成音はC・E・G・B)。
そして、トライトーンの不安定な響きには、解決したいという性質があります。
ここで、G7からCmaj7へとコードが進行するときの動きを細かく見てみると、G7の構成音であるBは半音上のCに、Fは半音下のEに移動することで、不安定な響きであるトライトーンが解消されて解決感を得ることができます。
かつ、とても印象が強いルートが5度落ちるという動きが同時に起きることになります。
その為とても強い解決感が得られ、これが、ドミナントモーションが一番自然な解決とされる理由となります。
このドミナントモーション、とにかく色々な曲に登場しますのでぜひチェックしてみてくださいね!
なお、先ほども補足しましたが、トライトーンを含むことがドミナントコードの条件ですが、Ⅶm7♭5のようにトライトーンを含むコードが全てドミナントコードになるわけではありませんのでご注意を!
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まとめ
さて!
ここまでで「トニック」「ドミナント」「サブドミナント」という3種類のコードの機能と機能にそったコード進行、そして「トライトーン」「ドミナントモーション」というものについて説明してきました!
実際にエレキベースを演奏している時などに、どのコードがドミナントなのか、どこでドミナントモーションが起きているのかを意識していると、演奏する音を選ぶ際にとても参考にすることができます!
コードの機能はそれぞれどのようなものなのか、そしてトライトーンというものがドミナントコードの特徴であるということやドミナントモーションについてなど、しっかり理解しておきましょう!
この記事が皆さんのお役に立てますように!
では!
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当ブログでの記事執筆において、自身が音楽理論を勉強した際に使用した資料に加え、書籍や現在インターネット上に公開されている記事等を参考とさせて頂いております。
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