「音がぶつかる」
よく耳にするこの表現ですが、具体的にどんな意味なのかイマイチわからない!
そんな方に向けて、音のぶつかりの原因であり、楽器を演奏する上で「避けるべき音」とされているアボイドノートについて解説しているブログ「アボイドノートとは前編・後編」
前編では、Cmaj7を例にしてコードトーンやノンコードトーン、そしてテンションやアボイドノートについて解説をしてきました!
その説明の中で、アボイドノートはコードトーンの半音上の音であるということはわかりましたが、果たしてそれだけなのでしょうか。
後編では、メジャースケールの全ダイアトニックコードのアボイドノートについて確認してみます!
ぜひ読んでみてくださいね!
もくじ
後編もまずはおさらいからスタート
早速「アボイドノートとは(後編)」を進めていきたいと思うのですが、やはりその前にまずおさらいを!
「アボイドノートとは(前編)」では、先ほど少し触れましたがコードトーンとノンコードトーンについて、そしてノンコードトーンにはテンションとアボイドノートがあるということを説明しました!
ノンコードトーンやテンションという言葉を聞いて、「あまりよくわからないかも」という方は、この先の説明が少し難しく感じてしまうかもしれないので、ぜひ「アボイドノートとは(前編)」を読んでから先に進んでみてください!
また、後編の説明にてインターバルやトライトーンという言葉も出て来ます。
このような言葉にいまいちピンとこない方はぜひ僕の過去の記事を読んでみてください!
音楽理論について順を追って解説してありますので、古い記事から読み進めていただくとこの先の説明がわかりやすくなりますよ!
音楽理論に関する過去の記事はこちらからご覧いただけます!
よろしくどうぞ!
早速アボイドノートを確認
まずは表にまとめて見てみよう
さて!
それでは「アボイドノートとは(後編)」の説明をスタートしていきます!
前編の記事ではダイアトニックコードのⅠmaj7(記事内ではCmaj7)だけを扱ってテンションとアボイドノートの確認をしていたので、後編ではその他のダイアトニックコードについても確認していくのですが・・・まずは表にまとめたものを見てみましょう!
Cメジャースケールのダイアトニックコードに対して、テンションとアボイドノートを表にして記入した図となります!
ノンコードトーンの中でテンションとアボイドノートを確認するときのポイントは、シンプルにコードトーンの半音上の音がアボイドノートであるという考え方を覚えてしまう事です!
図を見ていただくとわかるかと思いますが、テンションとアボイドノートの数を比較すると、アボイドノートの方が少ないですよね。
アボイドノートになる音もFとCばかりなので、「どの音がテンションとして使えて、どの音がアボイドノートとして避けた方がいいのか」を覚えるときはテンションよりもアボイドノートを、そして「アボイドノートはコードトーンの半音上の音である」という事そのものを覚えてしまいましょう!
そこさえ覚えてしまえば、あとは各コードのノンコードトーンが、それぞれコードトーンの全音上か半音上かを確認するだけですので上記の図もすぐに理解できると思います!
コードトーンの全音上でもアボイドノートになる音があります
そこも踏まえて図を見ていくと、「あれ?」と思う音があると思います。
そう!
Dm7の「B」という音です。
この音の説明がこの記事の大事な部分になるのですが、そこは記事後半でさせていただきますので、その前にちょっと話がそれてしまいますが下記の図も見てみてください。
コードの表記をディグリーネームに、テンションとアボイドノートの表記をルートからのインターバルに書き換えてみた図です!
インターバルで書き直した表を見るとちょっとわかりにくく感じるかもしれません。
ですがこの表、今後このブログでご説明する「ドリアン」や「ミクソリディアン」といったスケールといわれるものを考える時に、とても役に立ちます!
FやCといった音名ではなく、インターバルで音を見ていくことにも少しずつ慣れていきましょう!
Dm7のBがアボイドノートである理由
さて、では話を戻します!
先ほどちょっと触れたDm7のBという音、アボイドノートとされていますがコードトーンの半音上ではありませんよね(Perfect5thの全音上)。
なぜこの音がアボイドノートになるのかを説明していきたいと思います!
トライトーンとなってしまうので避けるべき音とされる
以前、コードの機能であるドミナントの説明の際に「トライトーン」というものが出てきました。
トライトーンについての記事はこちら
トライトーンとは「増4度音程(全音3つ分の音程)」のことで、CメジャースケールだとFとBの音の関係がトライトーンです。
このことを踏まえて、Dm7のコードトーンとノンコードトーンを見てみましょう。
まずDm7のコードトーンは「D・F・A・C」です。
そしてノンコードトーンは「E・G・B」。
ここでピンとくるかと思います。
このBの音、Dm7というコードと一緒に鳴らしてしまうと、コードトーンのMajor3rdであるFの音とトライトーンを作ってしまうのです。
そうするとコードの機能が変わってしまったように聞こえるので、Dm7におけるB(Ⅱm7におけるMajor6th)はアボイドノートとされています!
なお、このトライトーンとアボイドノートなのですが、コードトーンの3rdの音とトライトーンを作ってしまってはいけないというものなので、Fmaj7のテンションのB(#11th)はアボイドノートにはなりません。あわせて覚えておきましょう。
音楽教室のご紹介
この記事に紹介されていた内容の他にも、音楽に関する疑問点などはございませんか?
筆者が代表を務める音楽教室「Nice Love Music School」では、体験レッスンを実施しています。
レッスンの回数はマイペースに月1回からでも受講可能。
前日までにご連絡頂ければ振替対応も可能ですので、急な予定が入ってしまってもご安心頂けます。
まずはぜひお気軽に体験レッスンから!
まとめと補足
さて!
ここまでが「アボイドノートとは(後編)」となります!
メジャースケールの全ダイアトニックコードのテンションとアボイドノートについて確認してみましたがいかがでしたか?
前編の内容とあわせて、コードトーンとノンコードトーンについて、アボイドノートはコードトーンの半音上の音だという事、そしてコードの機能が変わってしまったように聞こえるためⅡm7においてはMajor6thもアボイドノートになるという事をしっかり理解しておきましょう!
そしてこの記事の最後となりますがひとつ補足を!
避けるべき音とされているアボイドノートですが、「避けるべき」であって「使ってはいけない」という事ではありません。
全音符や2分音符など、長く伸ばす音でアボイドノートを演奏するのは避けた方が良いですが、フレーズの一部として短い音で使ったり、アボイドノートからコードトーンに解決するようなアプローチで使ったりすると緊張感や解決感が演出できたりします。
好きな曲のベースフレーズをコピーしていて、アボイドノートを使っていることに気が付くこともあると思います!
その時は、どのような使い方をしているのかなどを意識してみましょう!
そうする事で、アボイドノートによってちょっと窮屈に感じていた音楽の世界が一気に広がるような気がしませんか?
音楽理論を知ることも大切ですが、知っている知識に縛られず、視野を柔軟に広げていくことも大事ではないかと僕は思っています。
この記事が皆さんのお力になれますように!
ではでは!
当ブログでの記事執筆において、自身が音楽理論を勉強した際に使用した資料に加え、書籍や現在インターネット上に公開されている記事等を参考とさせて頂いております。
お気付きの点がございましたらお問い合わせよりご連絡下さいませ。
参考文献:サルでも分かる音楽理論 上巻 下巻
音楽理論が細かく丁寧に説明されていて、とてもわかりやすい一冊です。
記事執筆時など、筆者も辞書がわりに今も参考にしています。
ぜひ手に取ってみてください!